2005年08月15日

対岸の彼女/角田光代

『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事』

『今みんながあたしについて言っていることは、あたしの問題じゃなくあの人たちの抱えている問題。あたしの持つべき荷物じゃない。人の抱えている問題を肩代わりしていっしょに悩んでやれるほど、あたし寛大じゃないよ』

対岸の彼女
角田 光代
4163235108久々に長時間電車に乗ることがあり、本を読んだ。
たまたま古本屋に行った時にこの本があった。
記憶の片隅にこの本が賞を取ったこと、作者が受賞が嬉しくて思わず亡くなった母親の携帯に電話してしまった、というエピソードを思い出し、手に取ると読みやすそうだったので買った。

文章はとても読みやすかった。往復3時間余りで読み終えられた。
女性にありがちな、集団での噂話、仲間はずれ、いじめ、に心を揺らがせていた二人の女性が出会いとそれからの心の揺れが描かれていた。

自分が映し出される我が子に対する不安
女性の集団の心理に心をすり減らす毎日
主婦が働くという事に対する夫や姑の反応
働くという事に対する、自分の心のゆらぎ
事件の報道の裏に隠された真実
そして、思春期のみずみずしいやり取り。

私は女子校育ちなので、女性の心理に敏感で、時に敏感すぎて困る。
相手のちょっとした言動が、とても気になる。
人は好きだし友人は必要で大切だ。でも、一緒に行動するのは苦手だ。
相手の気持ちを察するように生きてきたので、相手の気持ちを優先してしまうから。

最近は職場に女性は私だけだし、友人と会う機会もそうはない。
この本は、私のほの暗い闇を久々に照らした。


この記事へのコメント
はじめまして。

私も角田光代「対岸の彼女」なんか気になって
読みました。
女性にありがちな「心の揺れ」の描写、上手で
すよね。

彼女の作品が気になって次も読みました。
媚びないけれどなんだか惹きつけられる文体
にはまりそうな予感です。
Posted by coco at 2005年08月16日 09:13
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「対岸の彼女」考
Excerpt: 『対岸の彼女』角田光代著  という本、読みました。 直木賞を取ったのでご記憶の方もいらっしゃるしょうね。 二人の女主人公の一人「葵」がの女社長ぶりが なんだか自分と似ていて..
Weblog: 鉄人ママの社長ブログ
Tracked: 2005-09-17 18:59
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